だいぶ前から「読もう読もう」と思っていた本。ようやく読了……といっても借りものだが。
例によって、親指シフトの練習を兼ねて書き抜き。最近、この形態で読書記録をつけているからか、心なしか打鍵速度が上がったような気がする。
「焼き鳥」というのを思い出してください。焼き鳥をする鶏肉というものは、学問的には、分子量の大きい「高分子」に分類されるもので、たとえばプラスチックと同じです。
《中略》
焼き鳥というのはダイオキシンの製造元と言ってもいいくらいです。その煙の中で、毎日、何年も働いている焼き鳥屋のオヤジさんは、もしダイオキシンが猛毒なら、お隠れにならなければいけないことになります。もちろん、そんなことはありません。焼き鳥屋ばかりではなく、家庭の主婦も、普段からガスで焼き魚を調理しますが、これも基本的にはたき火と同じです。
(p.89)ダイオキシンの場合、ネズミの類でもラットやモルモットには毒性が強いのですが、ハムスターにはそれほど強い毒性を持っていません。私たちから見ると、ラット、モルモット、ハムスターなどはみんな「ネズミ」の類で似た生物ですが、結果は大きく違うのですから、毒性というのは、本当に専門的な知識を持って考えなければならないことがわかります。
(p.93)日本では「ウシ」が原因でない「狂牛病」が年間80人程度発生し、現在、ご存命の方は800人程度おられます。これは厚生労働省が発表しています。
つまり、狂牛病は必ずしも「ウシ」とは関係がないということです。
(p.98)「身土不二」という言葉があるように、「身と土は二つにあらず」、つまり人間の体はその土地でできた食物で作られます。人間ばかりでなく、生物はその土地にある元素を使わないと体も生活もできません。ある地方には水銀が多いところもありますし、逆に重金属はほとんどない土地もあります。
《中略》
私たちは栄養素としてタンパク質とかデンプン、カルシウムなどを習いますが、体の中で必要とするものは多種多様です。違う土地でとれたものは「珍しいもの」として時々楽しむことだけにして、普段は日本で採れるもの、それもできるだけ自分が住んでいるところに近い場所で採れるものを優先するのが大切と私は考えています。
(p.104)リサイクルは人間の願望です。一度使った物がもう一度使えるなら、それはよいことに決まっていますが、現実にできるかどうかとは、まったく別の問題です。リサイクル品の中には、様々な物が混ざってくるのは防げないということを、まず認識しなければいけません。
(p.121)合成洗剤を避けている人にぜひ知ってほしいのですが、合成洗剤は「大昔の生物の死骸」を使うのに対して、石けんは「今生きている動植物を殺生して原料とする」という事実です。
(p.127)私たちはこの現代の社会で、本当に危険なものに集中して注意をしなければなりません。ダイオキシンの項目で整理をしましたが、私がダイオキシンをあまり注意しないように訴えているのは、日本で今まで健康障害を起こしたこともないようなものに注意を向けていると、本当に危ないものへの注意がおろそかになってしまうからです。
(p.131)私は長く教師生活をしてきましたが、教師というのは難しいものです。人に教える立場の大人たちは、よくよく考えて「教わる側の人」が「教える人が言ったこと」を、そのまま信じてもよいことを言わなければならないからです。
(p.152)実際にリサイクルしたペットボトルが、どの程度、使われているのかは、まだ一度も公表されていません。
《中略》
それはリサイクル全体に自治体だけで5000億円の税金を使っているからです。
国民は一人あたり一年に5000円程度になりますから「環境を守ることができるならこの程度はいいや」と納得してしまうのですが、だいたい、この税金をもらう人は1万人ぐらいですから、税金を出す方は一人5000円でも、もらう方は一人当たり5000万円になります。その利権はすごいので、私への攻撃もかなり厳しいものとなるのです。
日本人なら、日本人の誠があるなら、人をだまして税金で儲けようとせずに、額に汗して稼いでもらいたいものです。
(P.160~162)プラスチックには20種類くらいあります。プラスチックの種類を統一せよと言う人もいますが、できません。なぜできないかというと、プラスチックは石油から作られるからです。大昔の生物の死骸である石油が1種類の成分から作られるということはありません。
(p.178)日本には容器包装リサイクル法と呼ばれる法律があるので、多くの人は法律に基づいてリサイクルがされていると思っています。
《中略》
ところが法律を作るときに抜け道を作りました。それは家庭が分別して自治体が回収してきたものも使い道がなかったり、使えなかったりする可能性が高かったので、国民にはリサイクルと言って、その実は、回収したらそれで終わりでよいということに決めました。国民には、「一度使った物をもう一度使おう」と呼びかけながら、法律の条文は、「回収するだけでよい」となっているのです。現在の「容器包装リサイクル法」は、正しく解釈すれば、「容器包装回収法」なのです。
(p.195)家電リサイクルは、最初から「基本的矛盾」と「心が決まっていない」ところに問題があります。
基本的矛盾とは、「すでに国内で家電製品をあまり作っていないのに、どうして循環するの?」という単純な疑問です。第二次世界大戦後、松下幸之助さんなどが現れて日本の家電製品は世界に誇るまでになりました。
《中略》
そして時代は変わり、日本では簡単にできるテレビなどの代わりに、より高度な製品が作られるようになります。日本の家電メーカーが作る製品は、東南アジアなどの途上国で生産されるようになります。その理由は、日本の人件費が高くなり、単純労働なら途上国に工場を作った方が家電メーカーとしてはより安くできるからです。
(p.204)紙は樹木から作られます。そして樹木は森林で太陽の光を受けて自然に育ちます。つまり、紙はちょうど「クジラの肉」のようなもので、生物が太陽の恵みで育ち、その一部を人間が利用するという仕組みで、人間以外の動物は、すべて同じような仕組みで生活をしていますめ。動物は自分では栄養や道具を作ることができませんので、植物が作った栄養をとったり、木の枝を利用して巣作りをしたりします。もし動物の活動で自然を壊すことがあるとしたら、それは「自然の中でできる量を超えて利用した場合」に限られます。
(p.212)日本人ですから、日本を冷静見ることができないのも、ある意味で仕方がないことです。しかし、特にヨーロッパ人やアメリカ人が「環境」としてとらえているもの、「自然」と感じているものに対して、日本がどのような行動をとっているか整理しますと、まず森林の利用については、国土面積の3分の2が森林なのに、紙にも木材にも使わずに、石油を使ってリサイクルをし、「森林を守ろう」と言っている行為が、彼らには理解できません。また、捕鯨になると一転して「生育量の範囲なら捕鯨できる」と正反対になります。
(p.220)私はリデュース、リユース、リサイクル、いわゆる「3R」と呼ばれるものが嫌いです。なぜかというと、まず英語を使っているからです。日本語で呼ばずに英語で呼んでいるものに、ろくなものはありません。リサイクルをせずに焼却することをサーマルリサイクルと言ったりするのがその例です。日本人は、日本語で言ってもらうと正確に言葉を理解することができるのですが、英語で言われると本来の目的や意味があいまいになります。そのわずかな隙を狙って、相手をだまそうとしている人がウソをつくのに英語を使うことが多いからです。
(p.222)
つまるところ「情報の目利きになろう」という、至極まっとうなメディアリテラシーの本だった。自分の目で確かめた事実ではないので、書かれている内容、抜き書きした内容に100%同意することはできないけれども。