ナイアガラーの一人として、この話題に触れないわけにはいかない。
はっぴいえんど:名盤「風街ろまん」出荷・販売停止 鈴木茂容疑者の逮捕で
ギタリストの鈴木茂容疑者(57)が17日、大麻取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕されたことを受け、18日、鈴木容疑者がかつて所属していたロックバンド「はっぴいえんど」のオリジナルアルバム3作などの販売が停止になった。販売元の複数のレコード会社によると、期間は未定という。同バンドは鈴木容疑者のほか細野晴臣さん、大滝詠一さん、松本隆さんがメンバーで、73年に解散。「日本語ロック」を代表するバンドとして今でも親しまれているが、解散から30年以上たって、こうした形での販売中止は異例だ。
(毎日新聞 2009年2月19日配信)
このニュースを読んで、販売停止に追い込んだ〈声〉はいったいどこからやってきたのか?というのが率直に気になった。森達也氏が『放送禁止歌』で指摘していたように、「抗議が届くかもしれない」という、いまだ姿を見せないものに対する根拠のない恐れがこのような自体を招いたとわたしは思う。
それを人は〈自主規制〉だとか〈リスクヘッジ〉だとか言うのかもしれないが、音楽業界に身を置く者がそういった行動に出ること自体、矛盾をはらんでいるのではないか。
なぜなら、アーティストが表現する音楽には〈社会に対する異議申し立て〉という側面があると考えるからだ。その異議申し立てを、音楽業界に携わる者、特にその利権に与る者はメシの種に転化させているのである。
そういう点において、大麻所持で逮捕された鈴木容疑者と、〈社会に対する異議申し立て〉を後方支援する音楽関係者には、触法という一線はあるにせよ、根底では同じメンタリティを持っているような気がしてならないのだ。
今回の出来事は、その異議申し立ての伝播に対する意識のレベルを図らずもあぶり出したものではないだろうか。だから、顕在化していない抗議、言い換えれば〈声なき声〉に対する恐れが増幅し販売停止という事態を招いてしまったのだ。
活動の幅が広い彼だからこそ、恐怖の連鎖で次々と販売停止作品が増えることのないよう願っている。
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