筑波君枝『こんな募金箱に寄付してはいけない』

タイトルからもう少しブラックな、曝露話全開な内容を期待していたのだけどそうでもなかった。扱っている内容が、ホワイトバンドやエコバッグ、電車などの優先席、セックスボランティア……と多岐にわたっている(いやらしい言い方をすればとっちらかっている)ため焦点が絞り切れていなく、表層をなでて終了、という読後感だった。タイトル勝ち、といったところか。

 心理学でも価値のよくわからないものに対して、あまりに安価であると、他人から「安いのだから、買いなさい」と圧力を受けたように思うといいます。
(p.29)

発展途上国の問題は、ズバリ“格差”です。
《中略》
 たとえば、ジンバブエでは人工の0・5%が全土地の70%を保有しているといいます。フィリピンは100家族が富の79%以上を支配しているともいわれています。
(p.81)

 障害者やお年寄りへの日本の政策には、社会から隔離した場所で面倒を見るといった思想があることが常々指摘されますが、シルバーシートも「弱い人は別の場所にいてもらう」といった思想が見え隠れしているともいえます。
(p.110)

 そもそも、町全体や交通システムに、お年寄りや、体の不自由な人たちが使いやすいインフラが整っているとはいえない現状で、車内だけに優先席という配慮を求めるのもどこかいびつな対応に思えて仕方がありません。
(p.129)

 環境問題の難しい点は、このように環境に配慮するだけでなく、それを生産する生産者側、つまりは経済的な側面を併せて考えていかなければいけない点にあります。
(p.160)

 消費者である私たちは、エコマークに全幅の信頼を置き、それを使うことが“私にできる身近なエコ”だと信じてきました。そこに不正があっても見抜けない仕組みの上に成立していたのでは、“エコ”というブランドを買わされていただけ。
(p.172)

10代、20代といった若い世代が、10年前、20年前に比べ、環境や途上国の貧困などの社会問題への関心が高まっていることへの表れともいえるでしょう。
 しかも、市民運動的な泥臭さはなく、軽やか。たとえていうなら、
「オーガニックコットンを身につけ、エスニック料理を食べ、レゲエ音楽を聴きながら、アフリカのエイズや貧困問題を語っている」
 といったイメージです。
(p.211)

関連本として読んでみようと思ったのは以下の2冊。

  • 槌田敦『環境保護運動はどこが間違っているのか』
  • 松兼功『障害者に迷惑な社会』

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