ども。鉄王です。
ようやく、当地でも上映が始まりました。『靖国』に『実録・連合赤軍』。だからといって立て続けに観ちゃったりして、思想信条的にとっちらかってますなワタシ。
で、2作品観ての感想を。
■『靖国』
公開前のヒステリックともいえる報道・論調から「実は言うほど濃い内容じゃないんだろうなあ」と推察していたんですが、案の定。「見るべきものはない」とまでは言わないにしても、正直いって退屈な映画でした。
ナレーションをほとんど挿入せず、観る者に「作品が本来発すべきメッセージ」を想起させるという展開はドキュメンタリーではよくある手法だと思うのだけど、だとしたらこの作品から感じたメッセージというかイデオロギーは
中道右派
なので、稲田朋美センセイを筆頭にした右寄りの代議士センセイのみなさんがことさらに追及する理由が理解できなかったんですよね。本編中で「百人斬り」のことに触れられていたから過剰に反応してしまったのかしら。
■『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
率直に言いましょう。見応えありました!
本編3時間超という長尺ものなので、最後まで寝ないで観られるかな〜と心配してたものの、始まってしまえばもう〈若松孝二ワールド〉にグイグイと。まったく寝ることなく最後まで観通せました。
でもね、これ、3時間かけないと描ききれないわ。連合赤軍結成前史から「あさま山荘事件」まで丁寧にトレースしてるんだもん。おかげで、60年安保からあさま山荘に至るまでの闘争史を復習することもできましたし。
キャスティングについては、個人的には賛否両論。
出色は、永田洋子を演じた並木愛枝。坂井真紀演じる遠山美枝子に対する〈女の妬み〉(が、直接の引き金になっていると解釈してます)から、総括という名の粛清に狂っていく過程を見事に演じてました。もう、セリフの一言ひとことにマッドぶりが炸裂しているというか。まあ、演じてました……といっても、リアルにあの時代を生きてたわけじゃないので、この作品を観て追体験するしかないんだけど。
あと、森恒夫を演じた地曳豪も良かった。赤軍派で実権を握った後の、憑きものが落ちたようなアジりぶりには鬼気迫るものがありました。
一方、どうかなあ……と思ったのは、塩見孝也役の坂口拓。地曳豪くんほどアジテーションにコシがなくて、もうちょっとがんばってほしかった。あと、重信房子(うわ、一発変換した>Anthy)役の伴杏里たんもミスキャストだったかなあ、個人的には。伴杏里のポテンシャル云々じゃなくて、単に重信房子に対して抱いているイメージとダブらなかった、というだけなんですが。
と、ツッコミも多々あるのですが、全般的には非常に見応えある作品でした。なにが画期的って、あさま山荘の〈内側〉から人間像をきちんと描いていたこと。今まで、佐々淳行氏の作品に代表される〈外側〉の情報を中心に接してましたから、これでようやく思考のバイアスを中立にもってこられたかな、と。
〈内側〉の情報といえば、本作のパンフレットも資料性抜群。1470円とパンフとしては高めですが、60年安保からあさま山荘事件までの年表が詳しすぎて卒倒しそうです。
『実録・連合赤軍』制作委員会
http://wakamatsukoji.org/
Leave a reply