ども。鉄王です。
地元メディアが「福井が生んだ偉大な研究者」といくら持ち上げたところで、いっこうに関心が湧かなかった故・白川静氏。でも、尊敬する編集者の一人である松岡正剛氏の近著で、白川氏の生きざまと学問に対するストイックな態度を知り、俄然興味が湧いてきました。
地元メディアや教育関係者の白川氏に対する認識は「漢字研究の大家」であるようで、私自身もその程度のとらえ方しかしておらず、それゆえ今までまったく興味が湧かなかったわけです。が、「漢字研究」は氏にとってあくまでも手段でしかなかったのですね。
日本人とは何者であるか
その答えを、日本文化のルーツである中国文化、そしてそれを下支えする漢字(甲骨文字)の成り立ちを追うことで解明しようとしたのが、真の意味での「白川学」だったのだと本書を読んで認識した次第です。
心を打たれたことがもう一つ。
福井の偉人として伝えられる、橋本左内と橘曙覧の跡を継ごうとしたところがあった、との松岡氏の解釈から
平凡な人間が何か一つ世のために役に立てることがあるとしたら、それは、先人の智慧や形式・様式というものを曲げることなく次の世代に伝えること
なのだ、と強く実感したのです。それも、明治期~現在を生きた先人ではなく、黒船来襲以前の時代の先人が醸成してきた智慧や形式・様式を伝えることなのだ、と。
人生80年としてもうすぐ折り返し点に到達する私にとって、後半40年の生き方を示唆する一冊となりました。