てっきんの具。

「てっきん」と呼ばれて40年のおっさんが書くブログ

小西彩乃さん卒業、そして芸能活動引退にこと寄せて。

東京女子流の小西彩乃さんが2015年12月28日、グループからの卒業と芸能活動からの引退を発表した。

6月15日、Zepp DiverCityで行われた『TOKYO GIRLS’ STYLE 5th Anniversary LIVE -キラリ☆ into the new world-』の前から腰痛を患っていて、痛みをおして出演したことで症状が悪化したらしく、6月25日付のブログで休養を発表していた。

それから約半年。

12月28日。年末年始休暇とは名ばかりの朝。10時の客先訪問をひかえて起き抜けの頭でTwitterを追っていると、思わぬツイートが飛び込んできた。

小西彩乃、東京女子流卒業

一瞬目を疑った。いや、疑ったというのは嘘だ。休養宣言から約半年。公式には完全に沈黙を守り、本人の動静はまったくわからず、単なる腰痛ではない理由が何かあるのだろうという思いが日に日に増幅していたからだ。

ラジオのレギュラー番組にすら出演できないという事実を目の当たりにして、かねての懸念材料だった彼女の「声」にまつわる何かが起きているのではないか。そんな考えが頭の中を駆けめぐってもいたからだ。

とはいうものの、彼女の「声」にまつわる話を僕は詳らかに知っているわけではない。

東京女子流が福井県勝山市の『勝山市恐竜大使』に任命されたのをきっかけに彼女たちを意識し、

中学生~高校生だった1980年代をフュージョン小僧で過ごした僕を、「愛だの恋だの歌ってるだけの甘ったるいアイドルグループじゃない」音楽性の高さでひっくり返らせ、

福井県勝山市の夏フェス『DINOSONIC』(ダイノソニック)に行ってきたよ

初めて5人のパフォーマンスを目にしたときにはすでに、変声期を迎えた小西さんの声の不安定さは、先輩ファンの間では話題になっていたという。ほかのメンバーにない声質と歌いっぷりから、諸先輩方が「女子流の歌姫」と称賛したのをリアルタイムで知ってはいないのだけど。

【レポ】東京女子流 4th Japan Tour 2014 ~Royal Mirrorball Discotheque~ に行ってきたよ

2014年も福井県勝山市の夏フェス『DINOSONIC』(ダイノソニック)に行ってきたよ

東京女子流『CONCERT*06 ~STEP UP TO THE NEXT STAGE~』に行ってきたよ

諸先輩方に比べたら新参の僕だけど、小西さんがステージに上がるたび「今日は声、裏返らずに歌えるかな」とドキドキしながら見守るのは、正直、やっぱり、しんどかった。遠征して、こんな思いをしながらライヴ観るくらいなら、在宅ヲタの方がいいじゃないか。諸先輩方に叱られるかもしれないけど、そう思ったこともある。

ライヴ終了後、アンケート用紙に「あぁちゃんの声のこと、フィジカル・メンタル両面からケアした方がいいのではないか」などと、いっぱしの評論家調で書いてしまったこともある。

何千人、何万人いるかわからないAstalight*の一人ですらそう思うのだから、明に暗にそういう空気や言葉を受けとめるであろう10代の女の子の気持ちたるや推して知るべしだ。本人の努力とはまったく別次元でふりかかった「身体の変調」におびえながら、「今日は声、裏返らずに歌えるかな」とステージに上がるときのプレッシャーは、相当なものだったに違いない。

歌うことがとにかく好きで、ただまっすぐに夢に向かっていただけの女の子に、この運命はあまりに残酷すぎる。

それでも、運命からは逃れることはできないと、小西さんは小さな身体で自分を必死に納得させたのだろう。彼女が発表した卒業コメントにある《歌って踊ることの大変さに気づいてからずっと不調だったけど、時間は止まってくれない。》という一文は、やりきれない「一人の高校3年生の女の子の心の叫び」そのものではないか。

10代の半分を東京女子流の「あぁちゃん」として全力で駆け抜け、好きで好きでたまらなかった歌の世界から身を引くという覚悟を決めた小西さん。この先、彼女がどのような道に進むのか知りようはないし、ばったりどこかで出会えるのは万に一つの5乗くらいの確率だけど、今はただ、この先彼女のもとにたくさんのラッキーとハッピーが舞い込むことを願うのみだ。

だから僕は、「卒業して寂しい」って言わないでおこう。


小西彩乃さん。東京女子流と出会えて、あなたと出会えて、たしかに今、あなたと同じ時代を生きているという実感を改めてかみしめています。

思い返せば、今まで出会ったアイドル(と言っちゃいけませんね。ダンス&ヴォーカルグループですもの)の中で、僕の心と行動力をここまで突き動かしてくれた女の子は、小西さんをはじめとする東京女子流のみなさんが初めてでした。

『東京女子流 4th JAPAN TOUR 2014 CONCERT*04 ~野音Again~』に行ってきたよ

Zepp DiverCityの女子流ちゃん5周年ライヴに行ってきたよ

遠征もしました。

東京女子流『ちいさな奇跡』のMVロケ地を特定したよ

東京女子流『Say long goodbye』のMVロケ地を特定したよ

東京女子流『Stay with me』ジャケ写ロケ地を特定できたよ

ロケ地特定もしました。

特定したら、運営さんからお墨付きもいただきました。

東京女子流『Limited addiction』MVのロケ地に行ってきたよ

東京女子流『ちいさな奇跡』のMVロケ地に行ってきたよ

映画『5つ数えれば君の夢』のロケ地をめぐってきたよ

東京女子流『Stay with me』ジャケ写ロケ地に行ってきたよ

聖地訪問もしました。

フツオタ読まれてにやにやした夜もありました。アイドルを応援することが、こんなに楽しいことだったなんて。

僕にとっての東京女子流は「箱推し」で、小西さんが卒業しても理屈ではその気持ちは揺るがないはずですが、今は正直なところ、気持ちの整理がついていません。

でも、「他界」はないんじゃないかな。そんな予感はあります。

小西さん抜きで作られた『REFLECTION』はやっぱり好きなアルバムの一つだし、小西さんの卒業を乗り越えた4人が向かう先を数千、数万分の一のAstalight*として見守っていきたいし。山邊さんの暴走MC(や、これは失敬)もまだまだ観てみたいしね。

小西彩乃さん。心からありがとう。そして、おつかれさま。

最後に、芸能活動を引退して新たな道を歩き出す小西さんに、仲良しという(実はこのタイミングで知った)福田花音さんの曲を捧げます。『東京女子流の』という肩書がなくなっても、小西彩乃は小西彩乃なのですから。

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