てっきんの具。

「てっきん」と呼ばれて40年のおっさんが書くブログ

【いわゆる聖地巡礼】アニメ『グラスリップ』の舞台をめぐってきたよ パート1

2014年7月よりオンエアのアニメ『グラスリップ』。3月10日のティザーサイト公開で当地・福井県が舞台であることを知り、「これは地元民としてひとつ、アクションを起こしておかねば」という妙な使命感にかられて、PV第一弾に描かれているスポットをめぐる日帰りトリップに出かけてきました。
(本記事制作にあたり、シーンの一部をキャプチャしています。ご関係のみなさま、なにとぞご了承ください)

『グラスリップ』のことをご存じない方、ともあれPVをご覧くださいまし。

「出会った夏を、忘れない。」
6人の高校生が経験する、夏から始まる、ものがたり。

P.A.WORKSが贈る、新たなオリジナルTVアニメーション企画が始動。本作の監督を務めるのは、『true tears』以来、6年ぶりにP.A.WORKSとTVシリーズを手がける西村純二。副監督に、『花咲くいろは』『TARI TARI』で演出を務めた安斎剛文。シリーズ構成・脚本には、『TARI TARI』の脚本で鮮烈なデビューを飾った佐藤梨香が参加、キャラクターデザインに、『凪のあすから』でサブキャラクターデザインを務めた竹下美紀、美術監督に『凪のあすから』美術監督補佐の本田敏恵、音楽に『恋旅~True Tours Nanto』の松田彬人を迎え、福井の小さな港町を舞台に、瑞々しい青春の1ページを新たなスタッフ陣で描き出す。
(『グラスリップ』作品情報より)

ということで出かけてきました舞台めぐり、まずは、主人公(といっていいのかな)深水透子の家業であるガラス工房のモデルがここ、福井市鮎川町にあるワタリグラススタジオさんです。

PVでは岩場から工房を見通すアングルで描かれてますが、じっさいの岩場は撮影ポイントからさらに数十メートル下ったところ。建物の形も、作品では向かって右側に三角屋根の建物があるのでパッとみた感じちょっとわからないかもですね。

工房では、作家さんご夫婦がつくった作品が販売されていたり、吹きガラス体験ができたり。話を伺ったところ、P.A.WORKSのスタッフさんたちもロケハン時にガラス作品の制作体験をされたそうです。

窓辺にガラス玉も下がっていましたよ。

おお! テラスからの風景はまさにこのシーン。

ワタリグラススタジオさんには、PVの公開(3月17日)からすぐ、熱心なアニメファン(P.A.WORKSファン?)が何組か訪問に訪れたのだとか。ガラス作家でもあり、ショップの店番もされている奥さんは「最初にうわっと来てくださって、そのあとはぴたーって感じですけどねー」と笑っていらっしゃいましたが、いえいえ、オンエアが始まればきっと大賑わいになりますって。

さて、ここから越前海岸(国道305号線)をクルマで北上すること約20分。訪れたのは、坂井市三国町の民俗資料などをおさめているみくに龍翔館です。PVと同じような画角で撮影してみました。

写真でみるよりも建物が大きくあたっているので、距離感を詰めた設定にしているのかもしれません。

ちなみにこのみくに龍翔館、明治時代にオランダ人技師・エッセル(だまし絵で有名なエッシャーの父)により設計された龍翔小学校をもとに建てられた施設です。「小学校の建物を復元した」という歴史的背景から、作品に描かれた洋館が主人公たちの通う高校として設定されるかもしれないですね。


[2014.7.4追記]
EP#1で確認したところ、洋館=高校の設定にはなってなかったですね。


撮影を終えて向かったのは、みくに龍翔館からクルマで約10分ほど離れた三国サンセットビーチ。空撮シーンの左上

海に向かう突堤がこれ。もう少し遅い時間帯だと、文字どおり、日本海に沈む夕陽を堪能できるスポットです。

ちなみに、この突堤の工事にもエッセルが大きく関わっています。詳しくは、みくに龍翔館オフィシャルサイトの解説ページにてどうぞ。

さて、今回の舞台めぐりを企画するにあたり、場所の特定でいちばん難航したのがこのシーン。

「作品の舞台が福井の港町」→坂井市三国町……という連想から、シャレオツ、かつ窓際に棚がある(おそらく工芸作家の作品が並んでいる)カフェとふんで、町内にあるカフェを訪れた経験+画像検索で想像をふくらませたものの特定には至らず。地元の知人にメールで尋ねた結果判明したのが、ここでした。

福井県あわら市、金津創作の森の中にあるカフェ コトノハさんです。

一枚板のテーブル、窓辺にある棚、画面右側のレンガ(?)など共通する要素が多いですね。

カフェ コトノハさんの窓辺の棚には、予想どおり工芸作家の作品が。金津創作の森に陶房を構える作家・大森正人さんの作品がずらりと並んでいました(販売もしてくれますよ)。

マスターにことわって店内の写真を撮っていたら〈聖地訪問〉がバレバレだったようで、「今日もわざわざ、滋賀県から2人で来てくださった方がいたんですよ。いやあ、わたしはアニメのことはさっぱりですけどねー」と、聖地訪問にまつわるエピソードを伺うことができました。

ということで『グラスリップ』の舞台めぐりパート1はこれにて終了なのですが、せっかくなのでこれも。

このシーンは、毎年8月11日(平日であろうが週末であろうが変わりなし)に三国サンセットビーチで開かれる三国花火大会をもとに描かれたものとおもわれます。

水上から海中に向かって花火を打ち込む〈水中花火〉が見ものの花火大会で、ビーチに設けられた観覧席から眺めると超絶迫力のボディソニックを楽しむことができますよ。花火大会込みで聖地訪問ツアーを組まれるのもよいかもしれませんね。

ところで、こうしたレポートを公開しておきながら言うのもなんですし、わたし自身「自他共に認めるアニヲタ」でもないのですけど……オンエアをひかえて「アニメで町おこし!」と皮算用されている方もいらっしゃるかもしれませんが、この作品を機に三国町を好きになってくださるファンの方のため、オンエアが始まっても、いつもと変わらぬまちの姿を保っていてほしいなとおもいました。

ファンは「アニメで町おこし!」と躍起になるような場所に、好んで足を運びたいわけではないでしょう。舞台となったまちに足を運び、〈地元の人たちにとって日常過ぎて代わり映えしない風景〉を登場人物の日常に重ねる作業にこそ、代え難い喜びを見いだすのがファン心理ではないかと。アニメの舞台になったからといってことさらガツガツせず、聖地の〈聖〉の意味を認識したうえでオンエアの日を迎えてほしいな、とねがっています。


[2014.4.17追記]
本記事にて紹介したスポットを公共交通機関でめぐるにはかなりの困難を伴います。福井県外からの〈聖地巡礼〉を考えていらっしゃる方は、クルマで来られるか、現地でレンタカーを調達された方がよいかとおもいます。比較的安価に調達できるレンタカーのリンクをはっておきますのでよろしければどうぞ。

© glasslip project

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